夢路の伴侶


Wilco, Nick Lowe & Mavis Staples rehearse "The Weight"

 

 

 

 

 

眠りにつくまで音楽を聴くという習慣を持つようになったのはいつ頃のことだろうか。昔はマンガ本や本を布団の中でよく読んだ、そして無意識、意識的に本を畳の上にパタリと落として夢の中へ落ちて行ったものだった。やがて音楽に興味を持ち始め本に替わって音楽が「夢路の伴侶」となった。当時はCDなどなかったのでレコードから好きな曲を選んで90分テープに録音してラジカセで聴いていた。FMから「エア・チェック(懐かしい言葉である!)」したものを聴くこともあった。

毎晩布団を敷いた後に早く寝なければいけないと思いつつ寝床にアグラをかきその夜「夢路の伴侶」とする音楽を選ぶのに悩んでしまう。これはまさに「無人島に持っていく一枚のCD選び」なみに難航してしまう。ある意味「夢路」も(自分だけの島)をめざす航海に近いものであろうから「無人島行き」と同じようなものなのだろうが・・・。

大人になってから昼間「夢」を観ることが

なくなってしまった。常に「現実」という名の刃を喉元に突きつけられているので彼方を観ることもできないわけである。それゆえに夜の「夢路」というものがひじょうに貴重なものになっている。

「夢路の伴侶」選びというのも私にとって毎日の大事な行事になってしまったようである。