夢で逢いましょう


Aly & AJ - Do You Believe In Magic (Best Quality)

 

 

 

 

 

モノクロ映画というものも独特の味があるが私は50年代のアメリカのカラー映画の色彩に参ってしまう。「セピア色」というのとも違うのであろうが独特のメローな色彩である。「テクニカラー」とか「総天然色」という古い呼び名がしっくりくるような色である。当時の映画スターというのはまさに「銀幕の世界」にいた。もちろん今と変わらずスターの私生活を追いかけるゴシップというのは存在したのであろうが、そんな私事を吹き飛ばすようなオーラーを彼らは映画の中で放っている。映画が「夢」の世界でありえた時代だったのかもしれない。たとえB級のラブ・コメディーであっても当時の映画は「夢」を見させてくれるから不思議である。その時代のアメリカが揺るぎのない鉄壁の自信を持ちえたことも一つの要因だったのかもしれないが、何も考えずとも楽しませてくれるような映画が本当に多い。現在の日本においてこれらの映画を観ていると時代の距離だけではなくもっともっと深い距離を感じてしまうのだ。「夢」と「現実」との距離といってしまってもよいだろうか。「夢」を観ることも許されない世相で映画すらも冷めた目で見てしまいがちな日本においてこれらの映画を観ていると忘れかけていた「夢」を思い出させてくれるような気がするのである。そして「夢」は思い切り「夢」らしくあってよいと教えられるのである。たとえ経済的に裕福であっても「夢」を観ることができない国は一番不幸である。「夢」は決して子供だけの物ではない、大人こそが「夢」を見つづけなければいけないと思うのである。日々鋭くとがった「現実」を喉元に突きつけられているのだから・・・。

良い悪いはともかくとして子供だけではなく、大人の「夢」もちゃんと用意されていたあの時代のアメリカはすごいと思うのである。